夏場の車のトラブルについて
夏場に起こりやすい車のトラブル。どんなものでしょう?
人間にとって過酷な暑さは、車にとっても同じなのです。
真夏の走行中に欠かせないのはエアコン
炎天下の中エアコンなしで走行するのはつらいですね。
ところがそんな時、エアコンが効かなかったら…。
ただしエアコンのトラブルは暑さそのものが原因というよりは、夏場しか使わないため、いざ使おうとしたときに故障に気が付くといった場合が多いのです。
原因は様々ですが、考えられるのはコンプレッサーの故障です。
エアコンはコンプレッサーで圧縮した冷媒をコンデンサーに送りエバポレーターに噴射されて気化する際、まわりの熱を奪う、いわゆる気化熱で冷気をつくります。
その冷気をファンで車内に送りますが、コンプレッサーが故障してしまうと冷気をつくることができなくなり車内が冷えなくなってしまうのです。
よく言われるガスは減少ですが、これはこれらの部品が故障や劣化し、その部分からガスが抜けてしまい減少している場合があるので、単純にガスのみを充填しても、再び故障個所から抜けてしまう場合があるので注意が必要です。
いずれにしてもエアコンはオンシーズンになる前に一度正常に作動するかチェックしておくことが大切でしょう。
次にバッテリー上がりも夏場に起こりがちなトラブルです。バッテリー上がりというとどうしても冬場に起こるものと連想しがちですが、実は夏場にも起こりやすく、またその原因は冬場とは異なります。
冬場の主な原因は低温のため放電量が増えてしまい、バッテリーが本来の性能を発揮できないことによるものですが、夏場の場合、電力自体の消費量が多いことによって起こることが多いのです。
では車の中で電力の消費が大きいものとはどんなものでしょうか。主なものはリアデフォッガー、ブレーキランプ、ヘッドライト、ワイパーなどですが、飛びぬけて電力の消費が大きいのは最初に触れたエアコンなのです。
夏場になくてはならないエアコンですが、使いすぎるとバッテリー上りの原因にもなってしまうのですね。
ただし、エアコンの核であるコンプレッサーはエンジンによって駆動していますから、基本的には電力を必要としません。
実際に電力を消費しているのは冷気を車内に送るファンです。ファンは電気モーターによって駆動しているため、電力を必要とし、バッテリーに負荷をかけるのです。
暑いとついつい風量を大きくしてしまいがちですが、車内の冷え方に応じてこまめに風量を調節してあげれば、消費電力を抑えることができるでしょう。
また最近では、オートエアコンを搭載した車種も増えていますから、風量をオートにしておけば、こまめに風量を調整する手間もかかりません。
この場合、設定温度は少し高めにしておくことがポイントです。
しかしながら、バッテリー上りが起こるのは元々バッテリー自体の性能が低下していることが考えられますので、これも日常のこまめなチェックが肝心です。
バッテリー液が減っている場合、補充が必要ですが、バッテリー液の減りが早かったり、液漏れしている場合などはバッテリー交換のサインです。
交換の目安は2〜5年と考えましょう。また、一度上がってしまったバッテリーはダメージが大きく、性能も低下してしまっているため、交換したほうがよいでしょう。
さて、他にも夏場に起こりやすいトラブルがあります。
エンジンのオーバーヒートです。これこそは猛暑など、暑さも要因となります。
直接的な原因としては冷却水の漏れが考えられます。ラジエーターキャップやウォーターポンプなどの劣化によって冷却水漏れなどが起き、冷却水不足して、結果エンジンの温度が上昇してしまい、トラブルが起こるのです。
また、エンジンオイルが不足したり、オイルそのものが劣化するなど、潤滑性能の低下より摩擦熱が高まって起こる場合もあります。
オーバーヒートは、水温計の針の振れ方、警告灯により発見できます。
そのまま走行し続けると、最悪の場合エンジン内部からの異音が聞こえるようになり、アクセルを踏んでもエンジンが停止し、動かなくなってしまいます。
オーバーヒートが、起きてしまった場合には、まずは速やかに車を安全な場所に停車させ、冷却水が充分な場合は、冷却水の循環を止めないようエンジンはかけたままにし、漏れている場合はエンジンを止めます。
次にボンネットを開け、エンジンルームに風を通し冷却効率を上げましょう。このとき、ラジエターに冷却水を入れようとキャップを開けてはいけません。
圧力が抜け沸点が下がることで冷却水が一気に沸騰し、蒸気が噴き出したり、オーバーヒートの状態を悪化させてしまうことになります。
ここまでしたら、安全のためにも、ロードサービスや販売店、あるいは修理工場などに連絡し、救援を待ったほうがよいでしょう。
いずれにしても、トラブルを未然に防ぐには日ごろのこまめな点検や整備が肝心です。夏に起こりがちな車のトラブルのポイントを押さえて快適なドライブを楽しみましょう。