アジアンタイヤの品質やメリットやデメリットは?

アジアンタイヤとは

アジアンタイヤとは日本以外のアジア各国で作られているタイヤの事で、すでに長い歴史のある韓国、台湾、それに続こうとする新興国の各企業が作るタイヤのことをいいます。

 

日本でも、アジアンタイヤを買える販売店は増えてきており、ハンコックのタイヤを車検で薦められることもそう珍しくなくなってきました。

 

先進工業国の象徴でもある自動車産業の中で自動車の代表的な部品であるタイヤの製造はこれまで自動車を製造する能力のある、先進国のメーカーが大きなシェアを占めてきました。

 

と、いうのもタイヤは車が趣味な方以外にはそれほど関心を持たれておらず、車検のときやパンク時に新車装着タイヤと同じメーカーを好む消費者が多くいて、新車についているということはそれだけ有利なことだったからです。

 

ですから、先進国の自動車製造能力のある国はそれぞれ自国製のタイヤメーカーが有り、日本はブリジストン、フランスがミシュラン、アメリカがグッドイヤー、ドイツがコンチネンタル、そしてイタリアがピレリというふうに、各国にタイヤメーカーがありました。

 

そして、なぜ今アジアンタイヤかといえばそれは過去数十年間の新興国の工業化の中で、自動車の普及率が高まり各国の民族資本の企業の中に「自分たちでタイヤを作りたい」という意識が芽生えて試行錯誤してきた結果、現在は先進国のタイヤメーカーと遜色ないものが作れるようになってきたからなのです。

 

 

アジアンタイヤの品質や性能は?

アジアンタイヤはすでに長い歴史があります。

 

例えば韓国のハンコックはすでに70年以上の歴史がありますし、クムホタイヤは1961年にタイヤの生産を始めています。また台湾の正新は1967年設立で、インドネシア最大のタイヤメーカーのGT(ジーティー)は1951年の設立です。

 

そもそも、現代使用されているタイヤであるラジアルタイヤの基本構造は1915年のアメリカ合衆国での発明以降ほとんど変化していません。

 

さらにこれまでも新興国メーカーには先進国のタイヤメーカーからの技術支援が行われてきました。

 

ですから性能面、品質面でアジアンタイヤはすでに高いレベルにあるといえます。

 

なによりも、アジアンタイヤの生産国のほうが日本よりも道路事情や道路の舗装率は低く、悪路が多く道が悪いので日本国内よりも丈夫なタイヤが求められることを考えると、それほどアジアンタイヤの耐久性が低いとも思えません。

 

 

なんでアジアンタイヤは安いの?

日本には安いと悪いという考え方もありますが、アジアンタイヤの安さの秘密は製造の現場にあります。

 

まず、私たちは新興国で作られていると聞くと新興国では、従業員の人件費が安いからという発想を持ちますが、タイヤの製造は多くの部分が機械化されていて他の工業製品と比べ人間の手が介在する部分は少ないです。

 

さらに新興国メーカーが先進工業国に比べてどうして有利なのかと言えば新興国のメーカーが有利なのはより新しい製造設備を導入できるという点で、過去20年ほどのパソコンの性能の進化だけでもわかるように、今ある道具の使い方を熟練するより新しい機械を導入したほうが生産性が向上するというのが製造業の現場なので市場が成熟している先進国メーカーの製造現場よりも、市場の成長率がより高くて新しい製造設備や機械を導入できる新興国のタイヤメーカーは製造コストの面で先進国に有利に立つことができます。

 

ですからアジアンタイヤは安価に販売することができるのです。

 

 

国産タイヤとの違いはあるの?

アジアンタイヤと国産タイヤの大きな違いは価格面といえるのではないでしょうか?

 

そして性能面で言えば、多くの日本車メーカーで新車装着タイヤとしてハンコックが採用されているところをみるとそれほど差はないと、実はクルマの製造元である日本車メーカー自体が認めていると言ってもいいのかもしれません。性能面で劣っているのであれば売上に関わることですから、新車装着タイヤには採用しないはずです。

 

また、最近では外車をディーラーで購入をした際にもアジアンタイヤがついていることがよくありますから、性能面で差はほぼないといえます。

 

なにより、アジアンタイヤの製造をしている本国ですでにたくさんの車がアジアンタイヤを装着して走っていることを考えると私たちがすぐ思いつきそうなダメな点はすでに対策されていると言っていいと思います。

 

前述の通り、自動車に使われているラジアルタイヤの構造はほとんど進化していません。

 

また、タイヤは自動車にとって重要な部品ですので、買う際にはよく調べてから買うメーカーの製品がどのような口コミがあるかなど調べることで自分の買うタイヤの特徴などを調べてみるのもいいと思います。

 

 

アジアンタイヤのメリットは?

まず導入コストが安いことがあげられます。タイヤは命にかかわる自動車の部品ですからできる限り気を配り車検までいいやとか考えず、ちゃんと交換することが運転する上での安全のみならず、燃費の向上や乗り心地の向上、そして運転中の静粛性につながります。

 

ですから、その点で言えばアジアンタイヤは安いので新しいものに交換しやすいのがメリットだと言えます。

 

また、2台目の車に取り付けるのにも向いています。具体的には、農作業で使う用の軽トラックや趣味の車などです、こういった車は使用頻度が低いので、安価なもので仕上げたいという人も多いと思います。

 

また、企業の活動で用いる商用車など乗り心地にたいする要求水準が低く、コストに対する要求が高い乗用車などに使用するのにも向いていると思います。

 

商用車は広いエリアを相手にしている企業では走行距離がとても長いので、タイヤの痛みが激しくなるので、タイヤが傷んだら適切に交換することが日頃その社用車を運転する従業員の安全につながります。また、経年劣化で痛みが来る前に走行による摩耗で寿命が来るので、保存性が低いのではないかと思われているアジアンタイヤを使う場面として向いています。

 

 

アジアンタイヤのデメリットは?

アジアンタイヤはその品質向上の為、値段が上がっていく傾向にあります。アジアンタイヤが性能がいいことが認められ新興国メーカーの技術者たちの努力が世界で認められた、あるいは日本メーカーの人たちのコスト削減の努力の賜物と、言ってもいいのかもしれませんが、現在アジアンタイヤの中でも高性能なものは日本メーカーの製品とほぼ同じ位の価格まで値段が上がっているものもあります。

 

また、輸入商品であるため、輸出国と輸入国である日本の為替の影響を受けるので、新興国から輸入しているタイヤであっても通貨の価値の変動を受けて、値上がりすることが考えられます。

 

さらにタイヤの素材には天然資源であるゴムノキから採取される天然ゴムが使われており、この天然ゴムの価格の動向の影響も受けます。

 

熱帯地域にある東南アジア各国の農場で栽培されているゴムノキは、植えられてから樹齢が高くなるとゴムノキから滲み出るラテックス(天然ゴムの材料)が減少し、さらに天候の影響も受けるため天然ゴムの生産量は変動しやすく、農園のゴムノキの樹齢の高齢化が進み天然ゴムの国際価格が上がると当然天然ゴムを使用するタイヤは値上げせざるを得なくなります。

 

そうなればアジアンタイヤと国産タイヤは技術力で勝負することになると考えられます。