車を長持ちさせるメンテナンス方法

車のメンテナンスは法定点検や車検などで自動車整備士や販売店に頼む事が多いですが、日頃から個人でこま目にメンテナンスを行う事で、車をより長持ちさせることも可能です。

 

メンテナンスの種類は個人で簡単に行えるものから、整備士などの資格を持った方に任せた方が良いものまで大きな幅がありますが、ここでは自分でも行えるメンテナンスと車屋さんに任せた方が良いメンテナンスについて解説していきます。

 

 

自分で出来る車を長持ちさせるためのメンテナンス方法

エンジンオイルのチェックと交換

車を動かす上で心臓部となるのがエンジンですが、エンジン内部に充填されているエンジンオイルの量や汚れ具合をチェックすることも、車を長持ちさせる上で大切なメンテナンスとなります。

 

エンジンオイルの量は、搭載されているエンジンの種類や容量によって異なりますが、エンジンルームに設置されているオイルレベルゲージという棒状の道具でエンジンオイルの量を計ることが可能です。

 

また、このオイルレベルゲージに付着したオイルをティッシュペーパーなどで拭き取る事によって、エンジンオイルの汚れ具合をチェックすることもできます。

 

大抵の場合、エンジンオイルは5000kmから7000kmが交換の目安と言われていますが、1回の走行距離が短い場合やその繰り返しが中心の車に関しては、エンジンオイル内に微量の水分が発生し汚れが少なくても劣化していますので、6ヶ月程度でオイルを交換すると良いでしょう。

 

エンジンオイルの交換はカー用品店やホームセンターなどで販売されている、吸引器を使用すれば個人でも簡単にオイル交換を行う事が可能で、オイルを定期的に交換することによってエンジン内の防汚効果も期待できるため、エンジンを長持ちさせることができます。

 

 

.洗車と傷隠し

自分で車をメンテナンスすると言う中で最もポピュラーと言えるのが洗車です。

 

昨今ではガラス系ボディーコーティングやポリマーコーティングと言った、車のボディーを汚れから守るコーティング施工車が増えてきていますが、個人でワックスを施工した場合や予めコーティングが施工されている車でも、汚れが付きにくいと言うだけで決して汚れないと言う訳ではありません。

 

そのため、綺麗な状態を長持ちさせるにはコーティングやワックスが施工された車でも、定期的に洗車をする必要があるのです。

 

また、洗車というメンテナンスは単に車を綺麗にすると言う事の他にすり傷や飛び石などで出来てしまった傷跡を発見できるチャンスでもあります。

 

特にボンネットやドアなど鉄で出来ているパーツは、傷の度合いによって下地の奥にまで達してしまうことがあり、放置しておくとその部分から錆が発生してしまいます。

 

その錆を放置しておくと、さらに錆が拡大してしまい腐食を招く原因ともなるため早めに対処する必要があります。

 

浅い傷や飛び石程度の傷であれば、カー用品店や自動車販売店で購入することの出来るタッチカラーペンを使って個人でも簡単に錆止めなどの補修を行う事が可能なため、洗車は車を長持ちさせるための大切なメンテナンス方法の1つなのです。

 

 

ボディー以外の錆対策

飛び石などで出来てしまった傷は、洗車のなどで見つけることができタッチカラーペン等を使用して腐食を防ぐ事の出来るセルフメンテナンスですが、錆対策はボディー以外の部分でも大切な事となります。

 

特に、雪の多い地域や沿岸付近を走行する事の多い車は融雪剤や波しぶきなどが原因で錆びてしまう塩害対策を行う必要があり、シャーシ部分や路面の衝撃を吸収するサスペンション、マフラー周辺などを定期的に洗浄することによって錆を防ぎ、車を長持ちさせる効果があります。

 

洗浄を行うと言っても洗剤や特殊な溶剤を用意する必要は無く、融雪剤が撒かれた道路や沿岸付近を走行した後は定期的に、水やぬるま湯で洗浄を行うだけの簡単なセルフメンテナンスとなっています。

 

また、融雪剤や海水が直接掛かる事はありませんが、成分が蒸発しバッテリー周りなどに結晶が付着してしまいショートしてしまう場合もあるため、エンジンルームも定期的に点検を行うと良いでしょう。

 

 

タイヤのチェック

個人でも簡単に行える車のメンテナンスの中にタイヤのチェックと言うものがあります。

 

特にタイヤの空気圧はタイヤを長持ちさせる事や燃費という観点で重要メンテナンス項目ともなっており、カー用品店やガソリンスタンドでも簡単に行う事の出来るセルフメンテナンスです。

 

タイヤの空気圧は、ボディーの大きさや装着しているタイヤのサイズなど車種ごとに異なっている為、全ての車で一定の空気圧になっていると言うことはありませんが国産車の大半の場合で、運転席や助手席側のドアピラー付近に適正空気圧を示したステッカーが貼り付けてられていますので、指定された空気圧を保つように心がけると良いでしょう。

 

また、タイヤは紫外線に弱く汚れなどが付着したまま使い続けているとひび割れを起こしてしまい、最悪の場合バーストを起こしてしまうこともあるため洗車と同時にタイヤの洗浄も行い、ひび割れなどを防止する効果のあるタイヤワックスなどを塗布することも、個人で行う事の出来るメンテナンスとなります。

 

 

車屋さんに任せた方がいいメンテナンスは?

エンジン内部の洗浄

車のオイル交換は、個人でも手軽に行う事の出来るセルフメンテナンスですが、こま目にエンジンオイルを交換していても経年走行によって徐々にエンジン内に汚れが蓄積されてしまいます。

 

これはエンジンの構造上、避けることの出来ない事となっておりエンジンを長持ちさせるためにも、エンジン内を洗浄しておきたいところですがこの場合には整備士など資格を持った方達に任せる方が良いメンテナンスと言えます。

 

エンジン内部の洗浄は、個人でもエンジンオイルにフラッシング剤を呼ばれる洗浄液を注入し、内部洗浄をすることが可能ですが、1度の洗浄効果が低いことやエンジン細部の洗浄が行えない事が多く個人で行うと返って逆効果になってしまう場合があるためです。

 

整備士などが居るカー用品店では、スラッジナイザーと呼ばれる特殊な機械を使用してエンジン内部をくまなく洗浄する装置が完備されているため、個人で行うよりも効率的で洗浄効果が高いメンテナンス方法となるため任せた方が良いという訳です。

 

 

.ヘッドライトの研磨とコーティング

車を長持ちさせる場合に行っておきたいメンテナンスは、多くありますが中でも最近多い悩みの中にヘッドライトの曇りというものがあります。

 

昨今の車に採用されているヘッドライトは、事故時に被害者への負担を減らすなどの目的からポリカーボネートと言う樹脂素材が使用されていますが、このポリカーボネートは紫外線に弱く徐々に表面に塗布されたコーティングが剥がれて行ってしまい、紫外線を直接吸収することでヘッドライトが曇ってくるという現象が起きてしまいます。

 

この曇りは、市販されている溶剤などで落とすことができ透明なヘッドライトの状態に戻すことがセルフメンテナンスでも可能ですが、研磨力が低く再コーティングも長続きしないことが悩みでもあります。

 

しかし、板金塗装などを専門に扱う業者に依頼をすれば、業務用の研磨力が高いコンパウンドで磨き上げを行い新品部品と同じウレタンなどでコーティングも行ってもらえるため、ヘッドライトを長持ちさせると言う観点から考えると、車屋さんなどの専門業者に任せた方が良いメンテナンスと言えます。

 

 

バッテリー交換

車のエンジンを始動させる上で必ず必要となるのがバッテリーの存在です。

 

バッテリーの交換自体は、日頃のセルフメンテナンスとして検査などを行い電圧が下がってきている場合には、個人で交換することも十分に可能なメンテナンスですが、昨今主流となって来ているハイブリッド車に於けるバッテリー交換は、自動車整備士の居る施設や設備の整った自動車販売店などで行った方が良いメンテナンスです。

 

ハイブリッド車に搭載されるバッテリーは2種類あり、1つ目は走行時などをモーターを動かしエンジンをアシストするためのメインバッテリー、2つ目は従来型のガソリン自動車と同様にエンジンの始動やヘッドライトなどの電装系を動かす役割を担った補機バッテリーと呼ばれるバッテリーが搭載されています。

 

この補機バッテリーは、エンジンコンピューターやハイブリッドシステムの設定が保存されている機器と繋がっているため、バッテリーを外してしまうと保存されている設定が初期化されてしまい、ハイブリッドシステムに不具合が生じる可能性があるため自動車販売店でも設定を維持できる施設でのバッテリー交換が推奨されているのです。

 

システムが初期化されると、販売店などで再設定を行ったりシステムの修理や交換を行わなければならないトラブル見舞われることがあるため、安全に車を長持ちさせると言う観点から専門業者に任せた方が良いメンテナンスとなっています。

 

 

最後に

ここまで、車を長持ちさせるために自分でも行えるメンテナンスと車屋さんなどの専門業者に任せた方がよいメンテナンスを解説してきましたが、基本的にはオイル交換や錆対策など個人でも簡単に行えるセルフメンテナンスを行う事で、車の寿命を延ばすことが可能です。
車は工業製品ですので、使用した分だけ劣化してしまうことは否めませんが日々のこまめなメンテナンスで、新車に近い状態を保つことは十分に可能なため、愛車に長く乗り続けたいという方は積極的にセルフメンテナンスを行うと良いでしょう。

 

また、セルフメンテナンスを行うよりも効率的で専門知識を必要とし車屋さんなどに任せた方がよいメンテナンス方法も存在するため、取扱説明書などでメンテナンス箇所の確認をしておくと良いでしょう。