車のシートベルトの罰金や減点は?

シートベルトが元々ない車はしなくていいの?

シートベルトが元々ない車というのは2種類あります。

 

1969年、日本で始めて車のシートベルトの設置が義務付けられました。

 

当時はまだ国内生産の普通乗用車の運転席のみの設置で、それ以前に生産された国内生産車にはシートベルトがまったく設置されていません。

 

それと、海外からの輸入車の中にも最初からシートベルトそのものが設置されていない車があります。

 

それらの1969年以前の国内生産車やシートベルトの設置のない輸入車などに乗車する場合は、特別にシートベルト着用義務違反にはならないということになっています。

 

もちろん、違反点数も加点されることはありません。

 

つまり、シートベルトが元々ない車においてはシートベルト着用義務は免除されるということなのです。

 

しかし、だからといって安全であるわけではもちろんありません。

 

安全の為にシートベルトを後から加工して設置することも可能ですが、取り付け部分の強度にも左右されてしまうので万全であるとはいえません。

 

違反にならないからといっても、安全運転を徹底して気をつけて運転しなければなりません。

 

 

シートベルトは後部座席の人もしないといけないの?

後部座席のシートベルトの着用は平成20年6月からは一般道、高速道路に関わらず義務付けされました。

 

しかし、後部座席のシートベルトを怠り「後部座席シートベルト装着義務違反」で取り締まられた場合でも

  • 高速道路では減点1点(違反点数1点加点)
  • 一般道走行時では口頭注意のみ

と、違反をした際の取り締まり方法があまりきつくないためにどうしても違反者が後を絶ちません。

 

2017年の調べでも後部座席のシートベルト着用率が36%にとどまっているため、国土交通省は2020年9月以降に新しく発売される乗用車と軽ワゴン車に対し「後部座席のシートベルト未着用を警告するアラート」の設置を義務付けました。

 

また、チャイルドシートなどは万が一交通事故が起こってしまった場合の事を考えると後部座席に設置するのが一番安全だといわれています。

 

しっかりと取扱説明書を読み正しく装着することで、もしものときのダメージを減少させることができます。

 

子供の安全の為にも、「顔が見えなくて心配だから」「子供が泣いてしまうから」などといった理由で助手席につけないできちんと後部座席に設置するようにしましょう。

 

 

シートベルトをしてないと事故をした時にどれ位危ないの?

シートベルト非着用の時、もしも事故にあったときの被害が何倍にも大きくなります。

 

滋賀県警の調査によると自動車乗車中の死亡事故25件中シートベルト非着用は9件、シートベルト非着用者9人のうち8人はシートベルトさえしておけば生存可能であったということがわかっています。

 

シートベルトを着用していない時の衝突事故の場合、死亡事故に直結する確率が高くなります。

 

フロントガラスやドア、座席シートなどに全身が激しく衝突する全身強打やフロントガラスを突き破り車外に放出される車外放出などの危険性があり、車外放出は外へ飛び出してしまったあと道路に全身を強打してしまったり後続車や対向車にひかれてしまう危険性もあります。

 

さらに、後部座席のシートベルト非着用時の死亡率は着用時に比べ約3.5倍も高くなることが交通事故総合分析センターの調べでわかっています。

 

後部座席でのシートベルト着用率は2012年の調べでもいまだに約33.2%しかありません。

 

後部座席で死傷した人のうち、シートベルト非着用者は6~9歳あたりから大きく増加しています。

 

ちょうど6歳からはチャイルドシートの使用義務がなくなってしまうため、「子供だから」「面倒くさい」「すぐそこまでだから」といった理由で着用する人が減ってしまうのです。

 

シートベルトを着用しないのは、大変危険です。
チャイルドシートの使用義務がなくなっても、きちんと身体の大きさにあったチャイルドシートやジュニアシートを使用しましょう。

 

 

シートベルトをしてなくて捕まった場合の違反や罰金は?

シートベルト非着用で捕まる事を『シートベルト違反』と一般的に言われていますが、道路交通法上では「座席ベルト装着義務違反」といいます。

 

道路交通法 第71条の31項に自動車の運転者は座席ベルト(シートベルト)を装着しないで運転してはならないことを、道路交通法 第71条の32項には自動車の運転者は座席ベルト(シートベルト)を装着しない者を運転者席以外に乗車させて運転してはならないということを定めています。

 

シートベルト違反の場合、

  • 反点数は1点
  • 金(反則金)はなし

ということになっています。

 

反則金を納める必要のない違反のことを「白キップを切られる」といいますが、これは違反切符の色が白いところからきています。

 

ちなみに、違反点数を加点されるのは運転席と助手席のシートベルト非着用時で、一般道路では後部座席でのシートベルト非着用時の罰則は口頭注意のみです。

 

高速道路であれば後部座席であってもシートベルト非着用時は違反点数1点となります。

 

一般道路では違反点数を取られないからといって、つけなくてもいいというわけではありません。

 

シートベルトの着用は全席義務です。

 

  • 「捕まってもたった1点の違反点数だから」
  • 「後部座席は高速道路じゃなければ注意されるだけだから」

などという甘い考えが、非着用率を上げてしまっています。

 

シートベルトは命を守るためのものです。

 

違反があるなしに関わらず、必ず装着するようにしましょう。

 

違反点数が1点であっても、ゴールド免許の人がシートベルト違反で捕まってしまうと次回の免許更新時にブルー免許になり、違反者講習を受けなければならなくなります。

 

ただし、ゴールド免許でシートベルト違反を受けた後3ヶ月間無事故・無違反であれば違反点数だけは無くなり、リセットされます。

 

 

シートベルトをしなくていい例外はどんな時?

道路交通法 第71条の3において、『やむを得ない理由があるとき』においては「座席ベルトを装着しないで自動車を運転してはならない」という決まりもこの限りではないと記載されています。

 

つまり、どうしても仕方がないという場合はシートベルトの着用をしなくてもいいというわけです。

 

では、どういう場合が着用しなくてもいいといわれているのでしょうか?

 

この『やむを得ない理由』として該当することとして

 

  1. もともと後部座席にシートベルトがない場合
  2. 郵便の配達やゴミ収集の作業中
  3. 乗車人数違反ではないがシートベルトの数が足りない場合
  4. 妊娠や負傷、障害などでシートベルト装着が適当でない場合
  5. 消防など緊急自動車を運転する場合
  6. 著しく肥満している、また座高が高すぎ・低すぎなどの理由で装着できない場合
  7. 選挙カーに乗っている候補者や運転員の場合
  8. 自動車を後退させる時
  9. 警察官などの公務員が職務のために運転する場合
  10. 警察用自動車に要人警護などで護衛・誘導されている時

 

といったことが挙げられます。

 

このように、仕方のない状況の場合であれば違反で取り締められるということはありません。

 

現在では、妊婦や肥満などでシートベルトを装着する事が難しい人向けに「シートベルトストッパー」という商品も販売されています。

 

これは、シートベルトを体に合った場所で止めて締め付けをゆるくするための器具ですが、そもそもシートベルト自体がゆるめた状態で使用する事を想定した造りではないので、身体は楽かもしれませんが安全とは言い切れません。

 

いくらシートベルトをしなくてもいいといっても自動車が危険である事は変わらないので、非着用時はより細心の注意を払って乗るようにしましょう。