車がいならいから免許もいらない車離れの原因
20代の若者で、自分の車を購入する人は約40%。
テレビでもネットでも「若者の車離れ」「若者の免許離れ」が報道されています。
車がいらない、免許を取らない若者を対象としたアンケートを取ると、「車は欲しいけど、今は買わない」という回答が集まります。
最近の若者は「自分に車が本当に必要かどうか」を考えてから、車を買う人が多いのです。
車がいらない人が増えた理由は?
車がいらない人が増えた理由は、ずばりお金です。
車がいらない人が増えたため、警視庁や自動車メーカー、自動車団体などが、若者を対象とした調査を行っています。
調査の規模や内容はさまざまですが、「車がいらない理由」は、どのアンケートもほぼ共通。
「車にお金を使いたくない」「車以外のことにお金を使いたい」と考える若者が、もっとも多いのです。
車がいらない理由で最も多いのが、「車にお金を使いたくないから」。
日本自動車工業会が、20代の若者の若者を対象として、車がいらない理由を調査したことがあります。
このアンケートでは90%以上の若者が、お金を理由に「車がいらない」と回答しています。
具体的な理由は、「車を買わなくても生活できる」「駐車場代などが必要」「車以外のことにお金を使いたい」など。
マイカーの維持費は、都内であれば年間60〜70万円。
車の種類や使い方によっては、100万円以上かかることもあります。
車の購入費や維持費を安くする方法はいくらでもありますが、かなり車に詳しい人でなければ、安く済ませる方法が判りません。
「高いお金を出してまで、車を買う必要はない」「給与を車に使いたくない」と感じる若者が増えているのです。
アンケートによっては、車がいらない理由の第1位が「車がなくても生活できるから」になっています。
ひと昔前まで、「東京都内は、車なしで生活できる」と言われていました。
若者の車離れがもっとも激しいのは、東京都内と言われていたのです。
東京都内では、電車・地下鉄・バス・タクシー・航空機など、どこに出かけても複数の公共交通機関が密集しています。
駅から駅までの距離が短いため、次の駅まで徒歩数分で行き着いてしまいます。
ところが最近では、地方でも公共交通機関が充実してきました。
都内より数が少ないだけで、電車・地下鉄・バス・タクシー・航空機など、すべてが揃っています。
民間空港が1つもない都道府県は数が限られるため、意外な存在と言われるまでになりました。
地方都市や観光地では、オリジナルの電気自動車を運用して、周遊バスの無料サービスなどを行っています。
観光客に地域をアピールできるし、地域の人が買い物や外出に使えるからです。
「東京都内は、車なしで生活できる」は、昔話になってきました。
都内にも地方にも、マイカーなしで生活できる場所が増えているのです。
車がなくても遊べるから、デートに行けるから、という理由も増えています。
ひと昔前は、デートに行くにも、買い物をするにも車が必要。
ドライブデートができないと、格好がつかないと思われていました。
現在は「マイカーがないと、コンビニやファミレスに行けない」という地域は減っています。
フランチャイズ制度が普及したため、コンビニやファミレス、他の種類のお店も数が増えました。
飲食店やデートスポットが増えたため、車がなくても遊べる場所が増えています。
大型テーマパークやショッピングエリアは駐車場が遠いため、車より電車が便利な場合があります。
インターネットとスマホの普及も、若者の車離れを増やす原因となっています。
インターネット通販があれば、日用品から高級品まで、外出なしで何でも購入できます。
大きなものや重たいものは、マイカーで買いに行くより、インターネット通販で配達してもらう方が楽です。
次々と新しい娯楽やゲーム機が開発されるので、インターネットとスマホがあれば、退屈することはありません。
車がいらないどころか、家から外出せずに娯楽を楽しんだり、食事を届けてもらうこともできます。
車の維持のために、時間を使いたくないと考える人もいます。
マイカーを持つと、いつでもどこでも好きなところに自由に出かけられます。
そのかわりに、ガソリンスタンドや駐車場を探したり、渋滞に巻きこまれたり、思わぬことに時間がかかるようになります。
バスや電車、タクシーなら、思いついた時にすぐ乗って、目的地に着いたら降りるだけ。
交通費はかかるけど、自動車税や車検の時期などに、スケジュールを拘束される心配がないのです。
若者で車がいらない人は免許も取らないの?
若者で車がいらない人が、免許を取らないとは限りません。
車を買わない若者は急増していますが、車の免許を取らない若者は、それほど減っていません。
東京都の男性を対象としたアンケートで、「車の免許を持つ20〜30代の男性で、自分の車を持っているのは3割」という結果が出たことがあります。
車の免許を持っている人が、自分の車を購入するとは限らないのです。
車がいらない人が、これからも車を買わないとは限りません。
車がいらない人を対象にしたアンケートでは、「今は都合がつかないから、車を買わない」という内容の回答が多いのです。
「自分の車を買ったり、車の免許を取る予定はないが、車は好き」という回答も珍しくありません。
車の用件が少ないので、家族から借りて乗る人。会社の車があるので、自分で車を買う必要がない人。
車を運転する機会がないので、ゲームセンターなどでレーシングゲームを楽しむ人もいます。
車がいらない人、車の免許を取らない人が、車嫌いとは限らないのです。
都内では、自分の好きな時間帯に、分単位で車を借りられるカーシェアリングが普及しています。
車の免許だけを取って、好みの車種を運転する人が増えているのです。
会社によっては、スマホ予約やネット予約が使えて、待ち時間なしで乗れます。
数千円の利用料で、最新の電気自動車を運転できたり、一台数千万円の超高級車を選べることもあります。
若者の車離れや免許離れが増える一方で、新しい動きも出ているのです。
「車の免許を取らないと、身分証明に困る」というのは、本当?
ひと昔前は、「車の免許を取らないと困る」と言われていました。
実際には、車の免許を取らないために、身分証明に困ったり、自治体などの届け出において、支障が生じることはありません。
身分証明に使える書類には、学生証、健康保険証、年金手帳、マイナンバー、住基カード、パスポートなどがあります。
届け出の種類によっては、住民票や戸籍も使えます。
昔は住基カードやマイナンバーがなかったため、手近な身分証明カードといえば、車の免許証や健康保険証くらいしかありませんでした。
「車の免許を取らないと困る」というのは、身分証明カードの種類が少なかった時期の言い伝えのようなものです。
公共交通機関とインターネットの普及によって、車がなくても、家から外出しなくても、遊んだり買い物できる時代になりました。
その一方で、車がなくても、車の免許を取らなくても、車を楽しむ方法が増えています。
おこづかいくらいの手数料で、あの車種この車種を運転できるのは、車好きには嬉しいことです。
自分に合うやり方、自分好みの方法で、車を楽しんでください。